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保護者に代わって幼児教室に聞きました!お受験に関する素朴な疑問 Vol.3「心の準備」

2022年10月20日

今回は「心の準備」をテーマに、ジャック幼児教育研究所の吉岡俊樹先生にお話を聞きました。

 
吉岡先生:それぞれの家庭によって考え方や育て方、環境が違いますし、子どもの性格も違うので、お受験をどのように意識していくかも様々です。例えば、祖父も父母も、みんな同じ学校の出身という家庭もあります。そのような場合は、小さい頃から学校行事に参加していたりするので、説明しなくても自分も同じ学校に行くと思っているでしょう。すでに本人が、「この学校に入りたい!」という憧れを持っていることも多いです。習い事感覚で教室に通っているうちに、競争心が芽生えたり、「もっとできるようになりたい」という気持ちが出てきたりする子もいます。数字や順位が好きな子は、テストで「満点が取れた」「1番になれた」などが、モチベーションになっていくでしょう。ですから、お子さんがどのようなタイプなのか、見極めることが大切です。

Q.第1志望は子どもに伝えておいた方がよいですか?

吉岡先生:「あなたにとって一番いい学校を神様が決めてくれる」と説明する家庭もありますし、ありのままを話す家庭もあります。それぞれの家庭で、その家庭らしいスタイルを考えるのがよいと思います。保護者は第1志望を決めて準備を進めると思いますが、子どもには必ずしもどれが第1志望なのか言う必要はないでしょう。理想としては、子供自身に明確な目標があることですが、もし、その学校に合格できなかった場合に、子どもが受けるダメージについても考えておかなければなりません。それらを総合して、各家庭で方針を明確にすることをお勧めします。

 
Q.子どもがやる気にならないときは、どうすればいいですか?

吉岡先生:残念ながら、どんな子でもやる気になる「魔法の言葉」はありません。当教室では、その子がどうしてやる気にならないのか、原因を考えて分析していきます。例えば、これまで「頑張る」という経験をさせていない場合は、急によい点数を求められてもやりたくないでしょう。そのような子は、すぐに気持ちを変えることはできないので、まずは楽しいと思えることに取り組むことが必要です。幼児というのは、成長する意欲を本能として持っています。「よくなりたい」「強くなりたい」「上手になりたい」「かわいくなりたい」といった、「より良くなっていきたい」という心理が必ずあります。それを探りながら、やる気がでない要因に応じて対応していくことが大切だと考えています。

Q.家庭でお絵かきや折り紙などを、どのように取り入れたらよいですか?

吉岡先生:お絵かきや折り紙は、図形的なセンス、イメージなどを高めるのに非常に役立ちます。いろいろな形を折る経験をして、素地をつくっておくことがその後の伸びにつながるのです。保護者の心の中ではお受験に役立つとわかっていても、それを表には出さずに、遊びとして取り入れる方がよいでしょう。教室で先生がやっていることと同じようなことを、家庭でやる必要はありません。「パパ(ママ)が折るのと、同じように折ってみよう!」と言いながら少しずつ難しい折り紙にレベルアップしていくなど、各家庭のやり方で取り組む方が、子どもは楽しみながら力をつけることができます。

★今回のポイント★
心の準備には、家庭内のコミュニケーションが大切

「お受験の準備は、子どもと向き合い、子どもの性格や得意分野などを見極めることから始まります。夫婦の意見を一致させておくことも大切です。父親は面接だけ行けばよいという時代もありましたが、今は準備段階から父親も重要な役割を果たします。受験校選びをするときも、父親と母親、それぞれの考えや持っている情報を共有し、意見をすり合わせていきましょう。子どもとのコミュニケーションと同じくらい、夫婦間のコミュニケーションも必要です」(吉岡先生)

 
●取材協力:ジャック幼児教育研究所
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