Q.得意なことと苦手なこと、それぞれどのように伸ばしていけばよいですか?
吉岡先生:学校にもよりますが、試験で評価される項目の中で、大きく落とすところがない方がよいでしょう。弱点を補っておく必要はありますが、すぐには得意にならないので、我慢強く待つことが大切です。食べ物でも、嫌いなものばかり食べさせてすぐに好きになるかというと、そうではありませんね。上手にやっている家庭のお母さんは、好きな項目の合間にうまく取り入れているようです。また、速度が遅いという悩みもよく聞きます。例えば折り紙でも、とても丁寧に折る子がいます。角をピッタリ合わせないと折る工程に進まない子などは、「失敗したくない」という気持ちが強いからだと思います。しかし、試験のことを考えると、ある程度時間との折り合いをつけなければなりません。そのような場合は、好きなだけ時間を使って良いときと、時間制限のある中で折るとき、両方の機会を作るとよいでしょう。そうすれば長所を伸ばして自信を持たせることが出来ます。いつも急かすと雑になってしまい、持ち味の丁寧さまでも失われてしまいます。
Q.共働きなので、なかなか子どもとの時間が取れません。
吉岡先生:季節を感じることや、新しい発見につながる体験は、旅行を始めとするイベントを考えなくても身の回りにたくさん転がっています。例えば、保育園や幼稚園の送り迎えの途中で見たものは、大人が思っている以上に子どもの記憶に残っているものです。植物などに目を向けて会話を楽しむことが、小さな体験につながります。保護者がアンテナを張っているかどうかで、コミュニケーションの内容も大きく変わるでしょう。気になることを一緒に調べてみることで、知識が増えるだけでなく、興味を持つようになり、それが記憶する力にもつながるのです。