2022年度入試(2021年秋に実施)について、理英会の宮内仁志先生に分析していただきました。
■コロナ禍での工夫
小学校入試では、面接、ペーパー、絵画制作、運動、行動観察、個別テストなどの組み合わせにより、選考が行われます。小学校で集団生活を送る上で必要となる協調性などをみるために、自由遊びなどを通して行われるのが行動観察です。2021年度入試(2020年秋に実施)では、新型コロナウイルスの影響で、行動観察を実施しない学校や使う道具などを変えた学校がありました。2022年度も同様に、共有物を使わずに、ティッシュペーパーや付箋など、使い捨てができるものを使うなどの工夫が見られます。
全体の試験時間を短縮した学校もあり、代表的な例が横浜雙葉小学校です。例年はお弁当を持参して、5時間半にわたって行われていましたが、2021年度、2022年度はお弁当なしで2時間程度の試験となりました。
■映像やCDによる出題の増加
どの学校でも一題は出題されているのが、「お話の記憶」です。お話を聞き、内容について、ペーパーか口頭で質問に答えます。話の長さは、長いものから短いものまで学校によって様々です。「お話の記憶」でみたい力は、記憶力ではありません。お話を聞いて、理解する力です。「お話の記憶」には、CDを使う学校が多くなりました。話す速度 や話す先生の性別、強弱のつけ方などにより、話の印象が違ってきます。どの教室でも平等になるように、同じ音源を使うようになってきました。
「絵画制作」などでも、教室で先生がお手本を見せるのではなく、お手本を映像化して見せる学校が増えました。各教室でお手本を見せると、先生の技術に差がある場合もあります。不公平感が出ないように、映像が使われるようになりました。
理英会 宮内仁志先生