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小学校受験とは
小学校受験の基礎知識 vol2「小学校受験の入試内容」

2023年03月17日

小学校受験の入試内容

今回は、試験の種類や方法について見てみましょう。

■ペーパー(プリント)
いわゆる筆記試験のこと。常識(季節ごとの行事や草花などから仲間外れを探す、電車のマナーなど生活常識を問う)、数量(数を数えたり、足したり引いたり、どちらが多いか比較したりする問題)、図形(同じ図形を探す、重ねたり回転させたりした図形を探す問題など。学校ごとに様々なパターンが出題されている)、言語(しりとりや3文字の名前の物は?など動物や植物の名称がしっかり身についているかを見る試験)。ドリル学習的要素。

■個別(口頭試問)
カードを数枚見せられてお話を作ったり、いろいろな物事について質問されたり、原則受験者1人に対して先生1人で行われる対話式の口頭試問。

■運動
跳んだり、走ったり、投げたり、マット運動をしたり、基本的な運動能力と先生の指示がきちんと聞けているかなども見られる。くまあるきといって、両手・両足を曲げずに使って歩く試験では、タイムがみられることも。くまあるきは筑波大学附属小学校などでよく出題されている。

■行動観察
他の受験生と一緒にゲームやグループ遊びをすることで協調性やリーダーシップなどその子どもの特性を見る試験。最近は行動観察を重視する学校が増えている傾向がみられる。あいさつや言葉遣い、態度など基本的生活習慣に関する面もみられる。

■指示行動
先生の言われた通りに運動などを行う。運動の試験に取り入れられることが多い。

■巧緻性
紙をちぎったり、ひもを穴に通したりするなど手先の器用さを見る試験。また服をたたんだりする試験などもあり、器用さとともにしつけ面が見られる。学校生活で人に迷惑をかけず、自分のことは自分でできるかどうかもチェックされる。行動観察に含む学校も。

■お話の記憶(記憶)
一定時間のお話を聞き、それについての記憶をみる試験。しっかりと人の話が聞けることが重要。テープで音声を流すところもあるし、お話の文章量も100文字~1,000文字と学校によって難易度はかなり異なる。難関女子校は概してボリュームが大きく、特に雙葉小学校は文章が長い(5000文字程度)ことで知られる。また、単純記憶だけでなく、お話から季節を推測したり数量を計算(12個のみかんを2つサルに、3つイヌに、残りは?)したり、道徳判断(あなたならこの場合どうしますか?)などを問われたりする場合がある。ペーパーのなかに含めて行う学校も。

■絵の記憶
一つまたは複数の絵を一定時間見せ、相違点や描いてあった場所を問う試験。これもペーパーのなかに含めて行う学校も。
試験はこうした種類を組み合わせて行われます。
特に志望校がペーパー(プリント)が試験に課されるかどうかで受験対策の仕方も異なります。ペーパーを課す学校は傾向と対策が分かりやすく、課さない学校(ノンペーパー校)の方が一見、受験をしやすいように見えて、合格する基準が分かりにくい場合が多いといえます。ノンペーパー校の場合、運動や行動観察でのリーダーシップ力などのファジーな要素を見る傾向が強くなります。
その例を挙げると――

【ノンペーパー校】
東京学芸大学附属竹早小学校お茶の水女子大学附属小学校慶應義塾幼稚舎成城学園初等学校立教小学校学習院初等科など。
(2023年度3月現在)

その他の私立・国立難関校のほとんどが、ペーパー(プリント)を試験に課します。
また、学校によって入試で月齢を考慮する学校があります。幼児の場合、特に3月、2月の早生まれと4月、5月生まれの成長度合いが大きく違うということから、各生れ月を考慮して入試を行います。また、その場合、男女に分けて入試を行うことが多く、これは女児の発育が男児と比較して早い傾向にあるためです。

【月齢考慮をする学校】
筑波大学附属小学校慶應義塾幼稚舎早稲田実業学校初等部学習院初等科成蹊小学校洗足学園小学校日本女子大学附属豊明小学校など。
(2023年度3月現在)

試験の種類や方法は学校によって異なりますので、志望校の内容をよく確認し対策しましょう。

 
次回は、やっぱり気になる「お金」のお話です。入学までにかかる費用などをご紹介いたします。