小学校受験とは
小学校受験の基礎知識 vol7「面接試験対策①」
小学校受験では面接が重視されます。特に家庭の教育方針が学校と一致しているかが重視されるので、学校研究をしたうえで面接の準備をしっかりとしておく必要があります。
面接の種類は、
1.保護者面接
2.保護者・志願者(親子)面接
3.志願者(子ども)面接
4.親子面接+志願者個別面接
このなかで保護者・志願者面接を行う学校が大半です。次いで保護者面接で、志願者のみの面接を行う学校は2割程度です。
なお、面接を行っていない私立小学校は、慶應義塾幼稚舎(願書重視。文章力を要する)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、国立では筑波大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校、千葉大学教育学部附属小学校。
東京学芸大学附属世田谷小学校は面接を行いませんが、保護者アンケートを行っています。
面接日は入試考査と同日か、考査日以前、または以降に行う場合があります。
考査日以前に行う学校は、青山学院初等部、国立学園小学校、白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、星美学園小学校、田園調布雙葉小学校、立教小学校、立教女学院小学校、湘南白百合学園小学校、精華小学校、清泉小学校、洗足学園小学校、日本女子大学附属豊明小学校、森村学園初等部(保護者面接は入試前に実施、子どもの面接は考査当日実施)、横浜雙葉小学校、西武学園文理小学校、星野学園小学校、成城学園初等学校など。
考査日当日または以降に実施する学校は、学習院初等科、光塩女子学院初等科、成蹊小学校、国府台女子学院小学部など。
暁星小学校、早稲田実業学校初等部は1次合格者のみ2次で面接。
次に面接で親によく聞かれることを挙げると――
1.学校や子どもに関すること
志望動機、学校の印象、学校に期待すること、通学方法・通学手段、宗教についての考え、女子教育(女子校)・男子教育(男子校)について。家庭の教育方針(どんな子どもに育てたいか。そのためにどうしているか、またどうすればいいと思うか。どんなときに叱り、またほめるか)、どんな学校生活を送ってほしいか、子どもの性格、子どもの長所・短所・健康状態、幼稚園のこと(幼稚園での教育、幼稚園でどう成長したか。先生から子どもについてどう言われているか)、生活面(生活面ではどのようなことができるか。食事のしつけはどうしているか)、子育てで感動したこと、子どもの成長で感動したこと、子どもが好きな絵本、読ませたい本(その理由)、子どもが好きなこと・得意なこと、最近親子でどんな遊びをしたか、いつもどんな会話をするか、休日の過ごし方など。
2.親自身に関すること
趣味。日ごろ大切にしていること・もの。最近うれしかったこと、気になる社会問題・教育問題。夫婦の協力、父親・母親の役割についてどう考えるか、そのために家庭でどんなことをしているか。妻または夫の子育てについてどう思うか(妻・夫それぞれに質問)、夫の仕事(夫に質問)など。
1.の志望動機や学校に期待することは、もちろん学校の教育方針や校風をふまえて答えてください。また、学校で学ぶご本人であるお子さんの資質や願いをふまえることも大切です。宗教についての考えは、キリスト教主義や仏教主義の学校で聞かれます。またキリスト教の場合、カトリックかプロテスタントかによって方針や校風が異なることに注意。カトリックは家庭的な雰囲気、学校と家庭のかかわりも深く、面倒見のよさが特徴の一つともいえます。プロテスタントは自主自律を重んじ、基本的に生徒・家庭の主体性が求められます。
2.は特にご夫婦で話し合っておくことが大切でしょう。またこれはある学校の校長先生と話をしているときに、その先生が言われたことですが、「ご両親が一人の大人としてどんな趣味を持ち、どんなふうに生活を楽しんでいるかを知りたい。小さな植木をかわいがるのでもいい、自分の時間を持ち、暮らしを楽しんでいる両親のいる家庭は、きっとすてきな家庭だろうと思うから」と。
時事問題については社会・教育など広く関心を持つようにしましょう。教育関連ではキーワードとなっているもの――いじめ、家庭の教育力、学校・地域・家庭の連携、子どもと携帯電話・インターネットなど――について、ご自身の考えや家庭の方針を答えられるようにしておきましょう。
面接で志願者(子ども)によく聞かれることは、名前、年齢、幼稚園の名前、家族の人数(構成)、先生・友だちの名前、今日はどうやって来たか(交通手段)、今朝は何を食べたか、どんな遊びをするか、好きな食べ物・きらいな食べ物、好きな絵本・テレビ番組(なぜ好きか、どんなところが好きか)、お母さんの料理でどんなものが好きか、お父さんといっしょにどんな遊びをするか、親・先生にどんなことでほめられたか、叱られたか、友だちとけんかをしたときはどうするか、お手伝いはなにをしているか、将来は何になりたいか、電車・バスでしてはいけないことなど。
別項でも書きましたが、近年、子どもの体験が少なくなっていることから、自然体験などの質問が増えています。体験を重視する早稲田実業学校初等部に合格した女のお子さんは、虫捕りの体験を話したら、重ねて質問されたそうです。
面接は学校によって重視するポイントも異なってきますので、志望校をよく研究することが大切になります。
次回も引き続き「面接試験対策②」、当日の服装などについてもご紹介いたします。