星野学園小学校
ワンキャンパスで学ぶ12年間 ~座談会 校長先生×中3生×高3生~
充実した広大なワンキャンパスで、小・中・高12年一貫教育を行っている星野学園。小学生と中・高生が温かく交流し、継続した教養教育の中で、学力と人間力を備えた人間を育てています。今回は、星野誠校長先生、中学3年生と高校3年生の内部進学生に、一貫教育の良さや、学園生活の様子などを語ってもらいました。
生の英語と異文化に触れる国際教育
2007年、星野学園小学校は、系列の中学校・高等学校と同じキャンパスに設立されました。現在、中3のMさん、高3のKくんは、小学校からの内部進学生です。まずは、小学校時代の思い出から聞いてみました。
Mさん 星野学園は宿泊行事が多く、なかでも全学年が参加できるスキー教室(冬の学校)が印象に残っています。インストラクターに基礎から学び、毎年、上達していったのがうれしかったですね。4年生から始まったクラブ活動も楽しかったです。4年の時は音楽、5、6年はミュージカルクラブに入りました。
Kくん 一番の思い出は、5年の時のニュージーランド修学旅行です。ファームステイをしたのですが、英語を上手に話せなくてもコミュニケーションがとれることに感動しました。その一方で、もっと英語力があったら、もっと会話が楽しめるのになぁという思いもありました。次は中学3年でオーストラリア修学旅行があるので、その時まで力をつけようと、勉強のモチベーションが上がったのを覚えています。そして、オーストラリアへ行った時、ホームステイ先の人に「英語が上手だね」と言われました。うれしかったです。
校長先生 本学園は明治の創立当初から、海外の人たちと交流があり、今でいう国際教育が自然に行われていました。そうした伝統が受け継がれ、現在も、外国人のゲストを招いたり、学校行事で海外の文化体験をするなど、国際感覚を養う機会を多くつくっています。英語教育に関しても、小学1年生からネイティブの教員が関わり、楽しく英語に触れながら、4技能を総合的に伸ばす授業を展開しています。
小学校から高校まで温かい縦の交流
一貫教育の良さの1つに、中学生、高校生と接点をもてることがあります。星野学園でも小学1、2年生が中学校の体育祭に参加し中学生と一緒に競技したり、 小・中・高合同で文化祭を開催するなど、縦の交流が図られています。
Kくん ぼくは小学校の1期生で、入学した時は、上級生が誰もいませんでした。でも、中学の先輩たちが、よく面倒をみてくれ、体育祭や文化祭で顔を合わせると「大きくなったね」と声をかけてくれたりしました。小学生の自分から見ると、中学生はとても頼もしく「あんなことができるんだ。すごいな」と憧れの存在でした。
Mさん 内部生は、中学に進学したらどんな生活が送れるのか、先輩から教えてもらうことができ、先を見通せるのがいいですね。また、行事以外でも、中学生と小学生は日常的に交流をしています。つい先日も、野球部の部員が星野ドーム(全天候グランド)で練習をする前に、遊びにきていた小学生と楽しそうにサッカーをしていました。
校長先生 小学校の体育祭には、高校の陸上部員が会場の設営など準備の応援をしたり、吹奏楽部マーチングバンドが演奏をしたりしています。中高生に優しく接してもらう生活のなかで、子どもたちは、良い人間関係を築いていきますね。
小中高の12年間は、人格を形成する重要な時期です。相手を思いやる心や感謝の気持ちなど、時代が変わっても人として大切なことを、私たちは学園全体で養っていきます。それが星野学園の本質であると考えています。
学習習慣と基礎学力をつけて、中学校の学びへ
小学校から中学校への内部進学率は90%以上。そのうちの約半数は、理数選抜クラスへ 進みます。現在、MさんもKくんも、難関大学進学を目指す理数選抜クラスに在籍しています。
Mさん 中学の内部進学に向けて、6年生から中間や期末テストが行われます。小学校で定期テストを経験することで計画的に勉強する習慣が身につき、中学に進学した後もテストに向けた勉強をスムーズに行うことができました。
Kくん 定期テストに加え、毎日、自主学習シートを提出したりして、小学校時代に学習習慣が身についたこと、学力の土台がつくれたことが、高校生になった今、役に立っているなぁと実感しています。また、小学校から英検や漢検などの検定に取り組むよう、指導があったのも良かったです。
校長先生 中学進学時には、6年生で行う定期テストを総合的に評価して理数選抜クラスか進学クラスかを決定します。習熟度別にクラスを設けているのは、その子に合う授業がもっとも力をつけることができるからです。小学校の時期から、勉強のわからない子をつくらない、先に進める子には発展的な学びができるよう丁寧に学習指導を行っています
。教養教育で1人ひとりの可能性を伸ばす学校
最後に改めて「星野学園の良さ」、「一貫教育の良さ」を聞いてみました。
Kくん 学習もそうですが、感謝の気持ちやあいさつなどの礼儀を小学校で学ぶことができました。そういうことは、社会に出た時も必要なので、小さい頃に身につけられて良かったです。 また、先生と話がしやすく、生徒との距離が近いのもこの学校の特長だと思います。ぼくは小学生の時から建物に興味があり、先生にそのことを話したら、「これを読んでみたら」と図書館の本を勧めてもらったことがありました。今も建物への興味は変わらず、大学では建築を学びたいと考えています。そして、一貫校の良さは何といっても小学校からの友達ができること。本当に財産ですね。
Mさん 星野学園は親身になって応援してくださる先生が多いです。 小学校時代、友達とトラブルがあった時も 担任の先生が双方の話を丁寧に聞いて誤解などを解いてくれました。その友達とは、中学でも仲良く接しています。 また、私は英語が好きで、将来も英語を使う仕事をしたいと思っているのですが、英語の面白さを知ったのは小学校の授業やニュージーランドへの修学旅行がきっかけでした。その他の教科も、中学、高校と継続して学べること、進路も計画的に考えられることが、一貫校の良さだと感じています。
校長先生 本学園は創立時から「全人教育」に取り組んでいます。勉強に関しても、即戦力や結果だけを追い求めるのではなく、じっくりと『教養』をつくりあげる教育を重視しています。算数ができる子、スポーツが得意な子、音楽が好きな子など、子どもたちは1人ひとり個性があり、可能性をもっています。私たちは、すべての子どもたちが主役として輝ける教育を目指し、そういう環境を小学校の早い段階からつくりたいと考えています。
12年一貫教育の利点は、日々の学習や行事、クラブ活動などを、受験勉強で中断することなく、時間を有効的に使いながら取り組めることです。また、長い時間をかけて友情を育んだり、教員もその子の成長の度合いを見ながらじっくりと指導を行うことができます。そして、私自身、この2人の生徒のように立派に成長していくのを応援し、見届けられることを心からうれしく思っています。