百合学院小学校
『英語教育の百合学院』として。新しい英語プログラム「Read to Me」運用スタート。
また「人とのかかわりを豊かに」「神との出会いを豊かに」「学ぶ力を豊かに」という3つの「豊かさ」を通した心の教育が大切にされています。教育の柱として「かしこく」「正しく」「清らかに」の3つの柱が設けられており、「かしこく」は学力面、「正しく」は生活面、「清らかに」は心の面を指します。カリキュラムを通して、この3つのバランスが取れた子どもの成長を目指して来られています。
今回の訪問では、近年、とくに力を入れられている英語教育について取材を行いました。『英語教育の百合学院』として、グローバル時代に必須の外国語教育・国際理解教育が展開されています。同校ではネイティブの教員も長く勤務されており、英語科教員ががっちりとスクラムを組んで、児童一人ひとりのレベルに合わせて、英語力の向上を促しています。
今、同校の保護者の方々からも大きな期待が寄せられている英語教育について、英語科専任教師として子どもたちとともに生活を送られているビル・アレン先生と、コーディネイターとして英語教育や国際交流活動をプロデュースされている児島利香先生にお話を伺いました。
英語科専任講師 ウィリアム・ユージン・アレン 先生
英語科コーディネイター 児島 利香 先生 のお話
ウィリアム・ユージン・アレン 先生
児島 利香 先生
『英語教育の百合学院』としての恵まれた環境
現在、英語の授業は、1~4年生は週3時間、5・6年生は週2時間を設定。「使える英語」を習得するため、「聞き取る・話す」を重視した授業が行われています。またすべての授業をネイティブ教員と日本人教員がペアで、大半をイングリッシュで展開するのも特徴のひとつ。入学当初は日本語も交えた授業で、身体を動かしながら楽しく学ぶ内容が充実しているため、それまで英語の経験がなくても心配はないとのことでした。
「読む」力を強化する新プログラム『Read to Me』がスタート
2019年4月からは4年生からの英語授業として新プログラム『Read to Me』がスタートしています。これはリーディング力を飛躍させるためのパソコンを使った「読む」英語教材で、一人ひとりの習熟度に合わせて教材に取り組むことが可能です。
取材時は視聴覚教室で行われた5年生の授業を見学させていただきました。授業がスタートすると子どもたちは自分専用のヘッドフォンをつけ、慣れた手つきでパソコンを使ってプログラムをスタートします。自分のレベルに合わせた教材をチョイスして、音声を聞きながら物語を読んでいます。読書感覚で英語のストーリーに触れられるため、好きな子はどんどん進んでいけるそう。途中、わからないところがある場合は、スムーズに進められるよう先生がサポートされており、各自のペースで授業に取り組む姿が印象的でした。
また教室の後ろには、読書量がランキング形式で張り出されています。授業後にはランキング表をチェックする子どもの姿もあり、励みにしている様子が伝わってきました。
『TOEFL® Primary』を導入し、英語力の成長を定期的に測定
そんな中、今年度からは『TOEFL® Primary』のチャレンジがスタートします。総合的な英語力を世界基準で測定するTOEFL®ファミリーの最初のグレードです。小学生から成人に至るまで、継続して正確に英語力の成長度合いが測定できるため、身体測定と同じように自分の成長を実感することも狙いのひとつ。取材に訪問した日は、ちょうど保護者の方へ『TOEFL® Primary』導入についての説明会が実施されていました。参加された保護者の方の関心も高く、導入に対する期待がうかがわれると担当の先生が話してくださいました。
日頃の成果を発揮する場としての英語・学習発表会
年に1度、英語と日本語による表現を楽しむ発表会LEE(Let’s Enjoy Expression)では、劇やミュージカル、ゴスペルなどを英語で表現し、各学年趣向を凝らした取り組みを行います。1年生は英語の学習を始めて半年程度ですが、英語で歌ったり、台詞を伝えたり、一生懸命な姿が見られます。高学年はさすがにゴスペルやミュージカル、調べ学習を英語で発表するなど堂々としたもの。その表現力には保護者も驚かれるほどだそうです。
ほかにも外部の英語暗唱大会(レシテーションコンテスト)に出場し、英語で表現し、伝えることにチャレンジしています。
『All in School』で、充実した放課後を学校で過ごす安心
学習面では1~5年生の希望者に向けて「フォローアップタイム」を設け、教員が一人ひとりのつまずきに応じて指導。5年生の3学期から希望者に向けて実施するのは、国語・算数の「パワーアップタイム」です。少人数クラスで、レベルに応じて問題にチャレンジします。夏休みには社会・理科も実施。普段の放課後は各教室を自習室として、いつでも利用でき、担任や副担任が指導します。
学内での課外レッスンも充実しています。ピアノ・声楽・チアダンスがあり、専門の講師が指導。子どもたちにも好評で、発表会も開かれています。学童保育として開設するのが「ナザレトクラブ」です。月曜から金曜の19時までで、長期休暇中も実施。「ナザレトクラブ」では、礼儀作法や英語、習字、スポーツなど日替わりのプログラムも用意されています。
保護者の働く環境によっては、帰宅後の留守番が長くなる場合もありますし、放課後の子どもの安全の確保は、どの家庭においても重要なポイントです。『All in School』の取り組みは、保護者の方からも喜ばれているそうです。
まとめ
また、どの先生も子どもたちにやさしく大らかな雰囲気。「すべての人を大切にする」カトリック教育にある、先生方と子どもたちの深い信頼関係が感じられるほほえましいシーンを多く目にしました。取材時はちょうど白百合が美しく花開くシーズン。学校の玄関で私たちを迎えてくれた姿勢のよい白百合に「自ら考え行動し、社会に貢献する女性像」が重なりました。