関東学院六浦小学校
関東学院六浦小「教育改革の3本柱」
「六浦小モデル19-23プラン」が2019年度からスタート
関東学院六浦小学校では、「『のびる』を伸ばす小学校」の実現を目指して教育改革を進め、少人数制だからこそできる「六浦小モデル19-23プラン」を2019年度からスタートさせました。その3本柱について、広報担当の尾木征夫先生、施設整備担当の石塚宏樹先生、カリキュラム担当の安藤修平先生、「総合的な学習の時間」担当の石川雄治先生にお話を聞き、授業を取材しました。
広報担当 尾木征夫先生のお話
「楽しい!」を増やす「六浦小モデル19-23プラン」
私のドア(施設整備)担当 石塚宏樹先生のお話
自分たちで遊びを考える場所「私のドア」
私のパレット(カリキュラム)担当 安藤修平先生のお話
自分で選んだ授業で主体的に学習する「私のパレット」
私のポケット(「総合的な学習の時間」)担当
石川雄治先生のお話
教科の枠を超えた学びの場「私のポケット」
子どもたちが書いた企画書
子どもたちそれぞれの「私のポケット」
「私のポケット」を取材しました
やりたいことをとことん追究する時間
広報担当 尾木征夫先生のお話
「楽しい!」を増やす「六浦小モデル19-23プラン」
私のドア(施設整備)担当 石塚宏樹先生のお話
自分たちで遊びを考える場所「私のドア」
私のパレット(カリキュラム)担当 安藤修平先生のお話
自分で選んだ授業で主体的に学習する「私のパレット」
私のポケット(「総合的な学習の時間」)担当
石川雄治先生のお話
教科の枠を超えた学びの場「私のポケット」
子どもたちが書いた企画書
子どもたちそれぞれの「私のポケット」
「私のポケット」を取材しました
やりたいことをとことん追究する時間
広報担当 尾木征夫先生
私のドア担当 石塚宏樹先生
私のパレット担当 安藤修平先生
私のポケット担当 石川雄治先生
子どもたちが書いた企画書
広報担当 尾木征夫先生のお話
「楽しい!」を増やす「六浦小モデル19-23プラン」
本校では、少人数制(1クラス20~25人)であることを大きな魅力と考え、一人ひとりの個性が伸ばせる教育を目指して教育改革を進めています。2019年度からスタートした「六浦小モデル19-23プラン」は、「教科授業」「総合的な学習の時間」「校内の環境」という3本柱に関する新たな取り組みです。試行実践期である2019年~2020年を経てプランの見直しや改善を行い、2021年~2023年を本格実践期とする5年計画となっています。
「私のパレット」と名付けた教科授業プランは、「学習の個性化」をテーマに進めています。学級全体で行う授業がベースとなりますが、教科や単元によって習熟度別や選択型授業を導入します。学びたいテーマやレベルを、児童が自分で選ぶことが大きな特徴です。一般的な習熟度別の授業では、教員側が児童のレベルを判断してクラス分けします。しかし本校では、本人が難しいクラスでやってみたいと思えば難しいクラスで、基礎的な問題にじっくり取り組みたいならそちらを選ぶことができるのです。選択型授業では、学びたいテーマや学習方法によってクラスを分けて、それぞれが学んだことを発表して内容を共有します。
「自己表現の個性化」をテーマにした「総合的な学習の時間」のプランは、「私のポケット」と名付けました。やってみたいことや調べたいことを自分で見つけて、それをとことん追究できる時間です。テーマを決めて調べたい理由や方法などを企画書に書き、保護者と教員2人の印をもらい、最後に校長印がもらえたら、企画書の内容をスタートさせることができます。企画書を書くまでに時間をかける子もいれば、すぐに書き上げて活動をスタートさせている子もいますが、それぞれのスピードでいいのです。4年生から6年生の後期には、クラスも学年も超えて、縦割りチームでやりたいことを研究していきます。1人で進めてもチームで進めても良く、チームで進めればクラブ活動のようになり、大学のゼミや研究室のイメージとなっていきます。
学校をより楽しい場所にする環境づくりのプランは、「私のドア」と名付けました。魅力ある環境が子どもたちの個性を伸ばす動機づけになると考え、「学校生活の個性化」をテーマに施設改修などを進めています。例えば、子どもたちがつくった作品を飾れるギャラリー、調べ物がしやすいライブラリー、子どもたちが気軽に集えるソファのあるスペースなどの案が出ました。学校に楽しい場所が増えれば、子どもたちのやる気を今まで以上に引き出すことができると思います。
「私のパレット」と名付けた教科授業プランは、「学習の個性化」をテーマに進めています。学級全体で行う授業がベースとなりますが、教科や単元によって習熟度別や選択型授業を導入します。学びたいテーマやレベルを、児童が自分で選ぶことが大きな特徴です。一般的な習熟度別の授業では、教員側が児童のレベルを判断してクラス分けします。しかし本校では、本人が難しいクラスでやってみたいと思えば難しいクラスで、基礎的な問題にじっくり取り組みたいならそちらを選ぶことができるのです。選択型授業では、学びたいテーマや学習方法によってクラスを分けて、それぞれが学んだことを発表して内容を共有します。
「自己表現の個性化」をテーマにした「総合的な学習の時間」のプランは、「私のポケット」と名付けました。やってみたいことや調べたいことを自分で見つけて、それをとことん追究できる時間です。テーマを決めて調べたい理由や方法などを企画書に書き、保護者と教員2人の印をもらい、最後に校長印がもらえたら、企画書の内容をスタートさせることができます。企画書を書くまでに時間をかける子もいれば、すぐに書き上げて活動をスタートさせている子もいますが、それぞれのスピードでいいのです。4年生から6年生の後期には、クラスも学年も超えて、縦割りチームでやりたいことを研究していきます。1人で進めてもチームで進めても良く、チームで進めればクラブ活動のようになり、大学のゼミや研究室のイメージとなっていきます。
学校をより楽しい場所にする環境づくりのプランは、「私のドア」と名付けました。魅力ある環境が子どもたちの個性を伸ばす動機づけになると考え、「学校生活の個性化」をテーマに施設改修などを進めています。例えば、子どもたちがつくった作品を飾れるギャラリー、調べ物がしやすいライブラリー、子どもたちが気軽に集えるソファのあるスペースなどの案が出ました。学校に楽しい場所が増えれば、子どもたちのやる気を今まで以上に引き出すことができると思います。
私のドア(施設整備)担当 石塚宏樹先生のお話
自分たちで遊びを考える場所「私のドア」
校内環境については、すでにある施設を活用したり、新しい施設を用意したりして、子どもたちが自分で遊びを考える場所を提供していきたいと考えています。公園や空き地に大きな土管があったら、「こんなふうに遊びなさい」と大人が言わなくても、子どもたちは自分で考えて遊びます。学校の中にも、そのような場所をつくることが目的です。まずは、ライブラリーの拡張と改修に取り組みます。本を読むだけでなく、調べものをするときに使いやすく、そして楽しい空間にする予定です。改修する際には、通路の配置も変えて、災害などがあったときにも避難経路を確保しやすくするなど、今まで以上に子どもたちの安全に配慮した環境に整えます。夏休み中の改修を目指して、計画を進めています。3階のロビーには、ソファや椅子を置いて、子どもたちが雑談や「私のポケット」の活動に関する話し合いなどができる場所をつくります。
私のパレット(カリキュラム)担当 安藤修平先生のお話
自分で選んだ授業で主体的に学習する「私のパレット」
教科授業プランについて社会の授業を例に挙げると、「自然条件と人々のくらし」という単元では「暖かい地域に住む人々」(沖縄)と「寒い地域に住む人々」(北海道)のどちらか勉強したい方を選んで、違う教室で勉強します。最後にそれぞれが学んだことを発表し合って、2つの地域を学習するというプランです。どちらを選ぶかは子どもたちが決めるので、人数が偏ることもあると思います。それでも、「自分で選んだ」という主体的なスタートがあることが重要です。習熟度別に関しても、勉強ができるか苦手かで分けるのではなく、「じっくり学びたいからやさしいクラス」、「チャレンジしたいから難しいクラス」というように自分で選ぶことが、主体的に、そして意欲的に学ぶことにつながると思います。
授業が進むうちにレベルが合っていないことに気づいて、次に選ぶときは下のレベルに変えることもあるかもしれません。あるいは、そのまま、みんなに付いていけるように頑張ろうと思うかもしれません。また、学習活動や課題による選択型授業では、一つの学級(学年)が、2~3のクラスに分かれることで、さらに少人数となったクラスで学習の場をつくります。一斉授業ではできないことが可能になるのが、少人数制のよさです。少人数になることで、発言の機会、教員と関わる時間、教具などを扱う場面の増加が期待されます。人前で話すのが好きな子は発表の場を多くしたり、コツコツとノートにまとめるのが好きな子には書く時間を多くしたりするなど、得意な力を伸ばして行くことで、少人数制のよさを追究していきます。
私のポケット(「総合的な学習の時間」)担当 石川雄治先生のお話
教科の枠を超えた学びの場「私のポケット」
「私のポケット」の一番の目的は、自分がやりたいことや好きなことを追究していくことです。子どもは、1つの教科に収まらないことや教科書に載っていないことにも興味を持ちます。そこで、子どもたちが「やってみたい」「好き」と思っていることを、とことん追究する時間をつくってあげたいと考えました。一人ひとりの「やりたい」や「好き」を尊重し、「個人総合」というスタイルにしていることが大きな特徴です。授業では、その1時間で何をするか自分で決めて、終わったら何をしたかをふり返ります。「自分がやること」を自分で決めるのは簡単ではありません。テーマを決めるのに悩む子もいれば、やりたいことを決めてどんどん進めていく子もいます。なかなか決められない子に対しては「アイデアシート」を活用して、好きなこと、将来の夢、趣味や習い事などを書き出していき、調べたいことややってみたいことに結びつけていけるようにアドバイスしていきます。
まだスタートしたばかりですが、子どもたちからは、「今日はポケットないの?」「早くポケットの時間になればいいのに!」などの声が上がっています。休み時間には、楽しそうに企画書を持って校長室へ行く姿も見かけるようになりました。調べたり作ったりする作業が終わると、発表する場が必要になりますが、子どもたちから「全校朝会でみんなの前で発表したい」などと、私たちが考えてもいなかった発表の場を求める声も出ています。音楽をつくったらお昼休みに校内放送で流したり、料理をつくったらクラスの子に振る舞ったりするなど、発表の仕方についてもいろいろな可能性があり、子どもたち自身で考えていくことで、いろいろなアイデアが出てくるでしょう。それぞれのアイデアを尊重し、発表の仕方に関する企画書が通れば実現できるようにするなど、教員側も柔軟に対応していきたいと考えています。
子どもたちが書いた企画書
子どもたちそれぞれの「私のポケット」
「私のポケット」の企画書を書き上げた児童3人に、テーマについて聞きました。
テーマ「犬の歴史」 4年生(女子)
「犬が好きなので、今の犬になるまでにどのような歴史があったのか気になっていました。テーマは、迷わずすぐに決まりました。前から調べてみたいと思っていたので、自分で調べたいことができるのが楽しいです。これから、インターネットなどで調べたことをまとめていきます。」
テーマ「釣り(ルアー)のコツ」 4年生(男子)
「おじいちゃんとよく釣りに行きますが、おじいちゃんばっかりアジやマダイを釣るので悔しくて調べたいと思いました。本で調べたり、インターネットの動画を見たりしてから、実際に釣りに行って体でコツを覚えます。おじいちゃんは川だとアユなどを26匹ぐらい釣るので、僕は5時間で12匹ぐらい釣れるようになりたいです。できるようになったらすごく嬉しいので頑張ります。」
テーマ「自衛隊の仕事」 5年生(女子)
「お父さんとお母さんが自衛隊の仕事をしているので、どんな仕事をしているか、他にもどんな仕事があるか、どれくらい大変なのか知りたいので、調べることにしました。職場に行って、いろいろと聞いたり、体験したりして、詳しく調べたいです。前から知りたいと思っていたので、企画書のテーマはすぐに決まりました。お父さんとお母さん以外の人にも話を聞いてみたいので、職場に行くのが楽しみです。」
テーマ「犬の歴史」 4年生(女子)
「犬が好きなので、今の犬になるまでにどのような歴史があったのか気になっていました。テーマは、迷わずすぐに決まりました。前から調べてみたいと思っていたので、自分で調べたいことができるのが楽しいです。これから、インターネットなどで調べたことをまとめていきます。」
テーマ「釣り(ルアー)のコツ」 4年生(男子)
「おじいちゃんとよく釣りに行きますが、おじいちゃんばっかりアジやマダイを釣るので悔しくて調べたいと思いました。本で調べたり、インターネットの動画を見たりしてから、実際に釣りに行って体でコツを覚えます。おじいちゃんは川だとアユなどを26匹ぐらい釣るので、僕は5時間で12匹ぐらい釣れるようになりたいです。できるようになったらすごく嬉しいので頑張ります。」
テーマ「自衛隊の仕事」 5年生(女子)
「お父さんとお母さんが自衛隊の仕事をしているので、どんな仕事をしているか、他にもどんな仕事があるか、どれくらい大変なのか知りたいので、調べることにしました。職場に行って、いろいろと聞いたり、体験したりして、詳しく調べたいです。前から知りたいと思っていたので、企画書のテーマはすぐに決まりました。お父さんとお母さん以外の人にも話を聞いてみたいので、職場に行くのが楽しみです。」
「私のポケット」を取材しました
やりたいことをとことん追究する時間
「私のポケット」が始まると、子どもたちは教室だけでなく、廊下や家庭科室、礼拝堂など、自分のやりたいことができる場所へ移動して、休み時間かと思うほど自由に、楽しそうに活動していました。廊下で、プログラミングの基礎が学べるイモムシ型のロボットを動かしているグループは、異なる機能を持ったパーツを連結させたり、分解して順番を入れ替えたりして、いろいろな動きを試しています。
家庭科室では、レシピも自分たちで調べて、必要な材料も自分たちで用意していました。「チーズドッグ」を作っているグループは、油で揚げずにオーブンで作れるレシピを探して作っています。「カロリー控えめのクッキー」を作っているグループは、レシピに「きび砂糖」と書かれていましたが、ちゃんと用意できていました。砂糖には白砂糖だけでなく、いろいろな種類があることなども学んでいます。
取材の途中で、企画書を持った子どもたちに囲まれた澤章敏校長先生に遭遇。校長室で企画書の対応ができるときには、ドアに「私のポケット企画書決裁受付中」という札を出しています。その札が出ているときは、様々なテーマの企画書を持った子どもたちが校長室を訪問。企画書を見た感想を澤校長先生に聞いてみました。
「子どもたちはいろいろなテーマで企画書を書いてきます。訪ねてくれば、必ず校長印を押すわけではありません。高学年なら文章もチェックして、もう少し直せそうな場合は校長印を押さないときもあります。『空港のしくみと飛行機のしくみ』『ピアノの音はなぜ鳴るのか』『電車の図鑑を作りたい』『チョコレートはなぜ甘くておいしいのか』など、好きなことからテーマを決める子どもが多いですが、嫌いだから調べたいという子もいて驚きました。トマトが嫌いなので、トマトについて調べるそうです。どんな企画書を持って来るか、子どもたちの訪問を楽しみにしています」
家庭科室では、レシピも自分たちで調べて、必要な材料も自分たちで用意していました。「チーズドッグ」を作っているグループは、油で揚げずにオーブンで作れるレシピを探して作っています。「カロリー控えめのクッキー」を作っているグループは、レシピに「きび砂糖」と書かれていましたが、ちゃんと用意できていました。砂糖には白砂糖だけでなく、いろいろな種類があることなども学んでいます。
取材の途中で、企画書を持った子どもたちに囲まれた澤章敏校長先生に遭遇。校長室で企画書の対応ができるときには、ドアに「私のポケット企画書決裁受付中」という札を出しています。その札が出ているときは、様々なテーマの企画書を持った子どもたちが校長室を訪問。企画書を見た感想を澤校長先生に聞いてみました。
「子どもたちはいろいろなテーマで企画書を書いてきます。訪ねてくれば、必ず校長印を押すわけではありません。高学年なら文章もチェックして、もう少し直せそうな場合は校長印を押さないときもあります。『空港のしくみと飛行機のしくみ』『ピアノの音はなぜ鳴るのか』『電車の図鑑を作りたい』『チョコレートはなぜ甘くておいしいのか』など、好きなことからテーマを決める子どもが多いですが、嫌いだから調べたいという子もいて驚きました。トマトが嫌いなので、トマトについて調べるそうです。どんな企画書を持って来るか、子どもたちの訪問を楽しみにしています」