中学受験にも対応している教育の特色について、教務主任の藤岡安由子先生にお話を聞きました。

■ トキワ松学園小学校が考える「中学受験」

「本校では、中学受験は『次のステージへの力』を育むためのステップだと考えており、そのベースとして重視しているのが『小学生としての力』です。基礎学力や学習習慣だけでなく、食事や睡眠のリズムを崩さないなど、基本的な生活習慣を身につけられるように保護者の皆さんにも伝えています。本校は1クラス約24人、1学年でも約48人という少人数教育が大きな特色です。自分の興味・関心を掘り下げながら自然に友達と学び合いができ、友達を否定することなく“自分”を表現していける環境の中で、自分にないものを他者から吸収していきます。そのような学校生活を通して、中高6年間、さらにその先につながる次のステージで活躍できる力が育まれていくのです。自分に合った学校とご縁をいただけるように、それぞれの良さや持っている力を伸ばしていくことが本校の役割だと考えています」(藤岡先生)

藤岡安由子先生(教務主任)

■ 中学受験に挑戦する児童の割合

ほぼ100%
※女子が内部進学する場合:外部からの受験生と同じ試験問題で受験(推薦入試)。

■ 中学受験へのバックアップ

□実力テスト(模試)
5年生から月1回のペースで実力テスト(育伸社)を実施。5年生は国・算の2教科で全員基礎コース、6年生は国・算・理・社の4教科で基礎コースか応用コース(志望校判定あり)を選択。結果の返却時には、担任が面談を行って一人ひとりにアドバイスをする。
 
□個人面談
進路に関する面談は、保護者対象が3回(5年生の1学期末、6年生の1学期末と11月頃)。児童対象の面談は、実力テストの返却時と6年生の2学期に実施している。
 
□教科指導(希望制)
夏休みの最終週に、5・6年生を対象に国・算を1時間ずつ5日間の教科指導を実施。基礎か応用を選択でき、参加した児童は生活リズムを学校モードに整えてから2学期をスタートさせることができる。希望者には、学習の後に水泳で体を動かす時間も用意。
 
□教科担任制(5・6年生)
国・算・理・社は専科の教員が授業を行う。6年生は12月までに教科書の範囲を終えて、それ以降は復習や受験問題に取り組む。
 
□全校での激励式(1月)
激励式は、下級生全員から6年生に応援メッセージを届ける伝統行事。下級生は応援メッセージを書いたプラカードを作るなど、子どもの目線で受験生を応援する。
 
□後輩へのアドバイス
受験終了直後と卒業後最初の同窓会で、受験や中学校生活について児童の経験談を記録として残す。それらを後輩に伝えて、進路指導の資料として活用。
 
□習熟度別授業(5・6年生)
実力テストの予習・復習、教科書の単元終了時には、基礎と応用に分けて授業を実施。応用コースは発展的な問題に取り組み、基礎コースは苦手な部分と向き合い中学受験のベースとなる力を養う。2025年度から習熟度別に授業を行う回数を増やし、これまで以上に定着させていく。
 
□放課後の補習(5・6年生)
児童が取り組みたい課題を中心に、教員が同席して行う自習として週1回程度実施。トキワ松学園中学校高等学校の田村直宏校長(京都大学理学部出身)による指導が受けられる日もあり、中学入試の算数ならどんな問題にも対応してもらえると児童からも好評。2025年度からは回数を増やして、中高との連携もさらに深めていく。
算数教室

■ お受験じょうほう編集部はココに注目!

●少人数制だからこそできるサポート
実力テストの結果をもとに、学力や受験校について個別面談を実施。希望する中学校の校風が合うかどうか判断するためには、卒業生からの情報も大きな力となっています。少人数制で一人ひとりに目が行き届くからこそ、進学先で6年間楽しく過ごし、個性や力を発揮して活躍できるような学校選びをサポートすることができるのです。
 
●アットホームな雰囲気で頑張れる環境
受験勉強で大変なのは自分だけではない、仲間がみんな頑張っていると感じられることが子どもたちにとって心の支えとなっています。受験が近づくと、休み時間に漢字や歴史の暗記問題を出し合うなど、気心の知れた仲間と学ぶ安心感があるからこそ、受験勉強にも楽しく取り組めるのです。1月の激励式では、全校児童が一丸となって6年生を応援。卒業後に遊びに来る卒業生も多いので、希望する学校に合格した卒業生から学校の様子や受験対策について直接話を聞ける機会もあります。
激励式

■ プラスαの力

「本校では、6年生は全員、全校児童の前で自分の特技や好きなことについて発表する『個人発表』を行うなど、一人ひとりが発表する機会が多いです。特別授業として、校長の研究テーマである劇的表現活動(演劇教育)を全クラスで行っていますが、演劇を通してその場の状況に合わせて臨機応変に対応する力が身につきます。直接的な受験対策ではありませんが、こういった活動が、初めての場所でも力を発揮できることにつながっていると感じています」(藤岡先生)
藤岡安由子先生(教務主任)、百合岡依子先生(校長)、川澄幸宏先生(教頭)

■ 合格校の一例

□共学校
東京学芸大学世田谷、筑波大学附属、青山学院、学習院、慶應湘南藤沢、渋谷教育学園渋谷、東京農業大学第一など

□男子校
麻布、開成、攻玉社、駒場東邦、芝、巣鴨、成城、世田谷学園、高輪、獨協、立教池袋、早稲田など

□女子校
トキワ松学園、鷗友学園女子、学習院女子、恵泉女学園、日本女子大付属、横浜雙葉、立教女学院など

※2020~2024年度6年生

■ 今後の説明会等

□2025年度の説明会等
4月22日(火) 10:30~12:00 第1回学校説明会(施設見学あり)
6月21日(土) 8:45~9:30  公開授業
       10:00~12:00 第2回学校説明会
9月13日(土) 10:00~12:00 第3回学校説明会(施設見学あり)
 
□入試体験(年長対象/個別相談可)
7月18日(金) 第1部 9:00~11:30 第2部 13:00~15:30

□公開行事
7月13日(日) 10:00~15:00 学園会バザー(トキワ松学園校舎)
10月18日(土) 9:00~15:30 親子運動会(横浜美術大学グラウンド)
2026年
2月10日(火) 10:30~12:00 音楽発表会(トキワ松学園体育館) 

取材協力

トキワ松学園小学校

〒152-0003 東京都目黒区碑文谷4-17-16  地図

TEL:03-3713-8161(代)

FAX:03-3713-8400

URL:https://tokiwamatsu.ed.jp/

トキワ松学園小学校